年取り魚(としとりざかな)とは、大みそかの年越しのお膳に付く魚のこと。東日本では主に鮭、西日本ではブリであることが多いといわれています。
鮭のまち・村上の年取り魚は、もちろん鮭。その年の晩秋~初冬にかけて遡上してきた鮭で塩引き鮭を作り、12/31の年取り膳でいただきます。
胸びれが付いたカマの部分は、一鰭(いちびれ)と呼ばれ、年神様をお迎えする神棚に供えられ、家長のお膳に付けられます。一鰭は、鮭が生まれた時から命絶えるまで動き続ける、いわば生命力の象徴。また、鮭一尾から2切れしか取れない大変貴重な部位です。それを家長がいただくことで、家の繁栄を願います。
村上の食卓において、鮭は欠くことができない存在です。日々の食事はもちろん、ハレの日には欠かせない大切な魚なのです。